英文を読むときには、速く読むことを心がけねばなりません。
通常リーディングと言ったときは、まとまった英文を読むことを言いますから、昔ながらの受験勉強の英語に出てくるような短文を理解できても、リーディング力の向上にはあまり役立ちません。
むやみに構造が複雑で難解な英文を読んで、リーディング力をつけようというのが以前の英語の勉強のやり方でしたが、このような局所的な読み方では、TOEICなどの長い文章を読む能力は身につきません。
このような長い文章には、よく使われる単語・語句というものがあります。
それが、談話マーカー(discourse marker)です。
談話マーカーとは、文と文のつながり方を示している語句のことです。文をつなぐといっても、and、but のような接続詞だけでなく、on the other hand 「一方では」、therefore 「ゆえに」、in addition 「それに加えて」、moreover 「さらには」といったような語句も、この談話マーカーというものに入ります。
この談話マーカーの役割は、話の流れを決定するということにあります。
たとえば、環境問題で、1960年代の大気汚染に対する取り組み方を論じた後で、on the other hand という言葉が出てくると、次の文章は、21世紀になった現代における大気汚染の取り組みが述べられると予想ができます。
そういった予想の下に、英文を読むと理解が進みます。
このように、英語のリーディングを速くするためには、談話マーカーを利用することが必要です。